─山本さんは逗子葉山のママ達と Blatt Quartet(ブラットカルテット)というグループで音楽活動されているそうですが、どのようないきさつで集まったのですか?
山本:初めはメンバーの一人が、とあるweb掲示板に「葉山にオーケストラはありますか?」と書きこんだところ、「オーケストラはないけど一緒にアンサンブルしましょう!」と集まって活動を開始したカルテットです。 そして私は6年前に上山口児童館で開かれた初のクリスマス・コンサートを聴きに行き「楽しそうに演奏している姿が羨ましく、一緒に弾きたい」と思ってメンバーに入れていただきました。
─グループ名の由来は?
山本:Blatt(ブラット)はドイツ語で『葉っぱ』『譜面』という意味です。 気軽に「ブラッと」聴きに来てね!、の意味も込めています。
─今の活動内容どのような感じですか?
山本:メンバーが師事しているヴァイオリン教室の発表会に出していただいたり、「葉山町子育て支援センターぽけっと」で七夕やクリスマスコンサートを自主企画したりしています。今回のぽけっとでのクリスマスコンサートでは「G線上のアリア」や「We wish a Mary X’mas」などを演奏しました。 ステージが決まってからおもむろに練習開始。本番3ヶ月程度前から集まって皆で練習をはじめます。このほかにも隔週で先生のレッスンを受けています。 本番が終わってからの打ち上げランチが楽しみです! 本番が終わったらしばらく活動はお休みします。
─みなさんお子さんがいらっしゃるので、練習時間の確保は大変じゃないですか?
山本:そうですね。全員、現役のママであり、仕事を持っていたり、子供の習い事や受験があったりとドタバタです。 全員揃っての練習するためのスケジュールのやりくりが大変で、練習会場までの移動中に食事を済ませたり、レッスンが終わったら走って帰宅したりということもありました。
─この活動をはじめて良かったことは?
山本:独奏では感じる事の出来ない、深い感動がカルテットにはあります。ハーモニー、和音の美しさ。 音楽を媒介に集まった仲間なので、いわゆるママ友とは違う付き合い方が出来ます。音楽や作曲家、演奏家について熱く語り合ったり、一緒にコンサートに行く事もある。 自分だけでは知りえなかった素晴らしい楽曲に巡り合える事。楽曲の理解の仕方、演奏の仕方に様々ある事が解り、勉強になります。 世界が拡がって行く感覚がありますね。
─山本さんはお子さんとはどのように音楽を楽しんでいますか?
山本:娘にはつい厳しくなりがちですが、一緒にデュオを弾いたり、おばあちゃんのピアノ伴奏で弾いたり、楽しい仕掛けを工夫しています。 以前、我が家で親しい方を招いてのホームパーティを開いた時に、その日偶然誕生日だった男性がいまして…「じゃあ、私からのプレゼント!」とバッハのメヌエットを自主的に弾いてくれた事がありました。彼女なりに心を込めて、大切な贈り物をしたのだと嬉しくなりました。
─子育てで大切にしていることは?
山:体験させる事、「やりたい」気持ちを大事にしたい。例えば…私がキッチンでイワシを捌いていたときに「やりたい」と娘たちが寄って来ました。面白そうなので新聞紙を広げてやらせてみたら、怖がりもせずに小さなオテテでイワシの首をもぎ、嬉々として背骨もとってくれました。 「子供には出来ない」と可能性を閉ざす大人であってはいけないと思いました。 なんでも経験してみないと本当には解らないと思うので、無用な説明はあまりせずに体験させるように心がけています。音楽や絵画、工作、さまざまな経験を通して彩りのある心を育てたいと思っています。 それから、私や夫の知らない世界…例えば海での遊び方などは、葉山のオーシャンファミリーに参加させてもらって、親子共々経験する喜びもあります。子供を持って、世界が拡がっている感覚があります。
―ありがとうございました.