―─MIDORIYAさんはお料理のケータリングサービスということですが、どのようなお仕事なのでしょうか?

 荒井:お料理を作って配達するのですが、お昼のちょっとした集まりや会合のランチボックスや、ホームパーティなどの大皿盛のパーティ用のお食事、またお店などのイベントのお料理などをお受けしています。今まで最大では60名様分ぐらいをご用意したことがあります。仕入れから調理、配達まで全部一人でやっています。またイベントなどにも出店しています。

 ―─全部お一人でなさっているということですが、どのようなお料理なのですか?

 荒井:お客様のお好みに合わせてジャンルは色々ですが、お料理をご用意する上で、心がけているのは、安心しておいしく楽しく食べられるものであるということです。オーガニックや国産のもの、出どころの確認できる安全でヘルシー食材を使って美味しく、さらに目新しい食材や、調理法、見た目などでちょっとしたサプライズがあるようにメニューを考えています。

―─ちょっとしたサプライズのアイディアとかは難しそうですが、どのように思いつくのでしょう?

 荒井:もともとお料理は習ったことがなく、本と首っ引きだったので、今でも本から得る情報が一番多いと思います。後は、デパ地下めぐりとか、外で食べて美味しかったものを再現したりします。インターネットのレシピをアレンジすることもあります。

 ―─今、お料理を習ったことがないとおっしゃっていましたが、お料理の仕事をされたきっかけはどういったことでしょう。

 荒井:小さな頃から、たぶん小学校1、2年生ぐらいからお菓子作りが好きで、見よう見まねで作っては、祖父母や両親に食べさせたりしていました。その時喜んでもらってすごく嬉しかったのを今でも覚えています。その後中学生になり、毎日のお弁当もほとんど自分で作っていました。最初の動機は母のお弁当があまり好みではなかったからなのですが、高校時代も作っていたのはやはり作るのが好きだったからだと思います。結局ずっとお菓子やお料理をするのが趣味でそれが高じて調理師免許を取り、カフェにお菓子を卸したりもしました。あるとき知人にお弁当を作ってと頼まれたのがきっかけで、2008年からMIDORIYAとして活動しています。

 ―─MIDORIYAさんをされていて楽しいなと思うことは何でしょう?

 荒井:お料理すること自体も好きなのですが、人に食べてもらって喜んでもらえることも醍醐味なので、そんな嬉しい感想をいただけた時に充実感があります。逆にいつも配達の後にはいろんな事が頭の中に浮かび、どんな風に召し上がっていただいただろうかと気をもんでいます。なのでいいにつけ悪いにつけ、何かしらの感想をいただけるととてもありがたいです。その点イベントで出店の場合には直接お客様とのやりとりができるよさがあります。また、去年今年と、子供の通う幼稚園などでママたち向けにお料理教室の講師をさせていただいたのが、とても楽しい時間だったので、自宅でのお教室も楽しいかな、と思い始めています。

 ―─お料理がお好きということで、普段ご家庭ではどんなお食事をなさるのでしょう?

 荒井:よく聞かれますが、手抜きすることもあり、皆さんとあまり変わらないと思います。ただ、逗子という場所柄と家族みんながお魚好きなので、夕ご飯で言えば週4日から5日は魚介がメインになっています。最近ではタカベというお魚の塩焼きがおてもおいしくて感激しました。魚介類には旬があって旬のおいしさがあるところが楽しいですね。あさりやシジミなどの貝類もよくいただきます。お味噌汁やパスタ、炊き込みご飯もご飯がうまみをたっぷり吸ってとてもおいしいです。それから野菜も旬のものをたっぷりとるように心がけています。

 ―─ところで荒井さんが子育てで大事にしていらっしゃることは何でしょう?

 荒井:お料理をする時は、集中して、他のことには気が回らなくなってしまうのですが、それは私にとっては大事な時間です。それを子供も含めて家族がサポートしてくれています。だから、そうでない時は、子供の話を聞いて気持ちをしっかり受け止めてあげるように心がけています。疲れているときはそれが難しいこともあるのですが…。

そして食べる事に関して、いろんな美味しい味を経験させたいと思っています。自分の記憶を振り返ってもおいしいものを食べたことやそれにつながる楽しい思い出は忘れていませんし、それによって今の私があると思うので、そんな記憶を残してくれた両親に感謝しています。幸せにもうちの子たちは好き嫌いなく何でも食べるのでいろんなものを食べさせたいです。