7月はじめの月曜日、逗子海岸を拠点に活動する放課後自然学校「黒門とびうおクラブ」の活動を見に行きました。

毎週月曜日の夕方、小学生たちが季節を問わず、逗子・葉山の自然にかかわるさまざまな活動をしています。

湘南の海には、サーフィンやヨット、カヌー、SUPなど、さまざまなマリンスポーツを楽しむ人たちがいますし、逗子海岸もウィンドサーフィンのメッカとして知られています。
そうしたマリンスポーツの教室も数多くありますが、一方で、海で遊ぶ子どもたちの姿は案外少ないものです。

黒門とびうおクラブは、なにか特定の競技スキルを伸ばすことを目的とするのではなく、地域にある「海」にかかわる(それは川や森・山にかかわることにも通じます)ことを何でもやってみよう!楽しんでみよう!というクラブです。

永井巧コーチ、大西明コーチほか、ライフセーバーやアウトリガーカヌー経験者など5~6人のコーチ陣から、毎回の活動内容に応じた2~3人が、子どもたちと一緒に海に入ります。

 今日は何をするのかな?

梅雨明けを間近にして、この日はうっすら曇り空。

まだ水温が上がりきらない海に、ウェットスーツやラッシュガードを着た子どもたちが並んでいます。

今日のメニューはライフセービング。

オーシャン・ウーマンこと、ライフセービングの女子日本チャンピオンである三井さんをゲストコーチに迎え、波打ち際を走ることと海でのスイミングを合わせたラン・スイム・ランと、ボードを使ったパドリングリレーを行います。

ボードを抱えてふらふらする低学年の子に、「風はどっちから吹いてる?」とコーチが声をかけると、子どもたちは指を立てて風向きを調べ、あおられないようボードを風上に向け直して運んでいました。
コーチが「指示」するのではなく、子どもたち自身から学ぶ、読み取る、ということが大切。
水しぶきをあげて海に入っていた子どもたちですが、さすがに体が冷えたのか、後半は砂浜でランニングをする組と、まだまだ海!組とに分かれていました。

 水しぶきをあげて、ドルフィン!

とびうおの子どもたちは、冬は12月まで、春は3月からでも海に入っていますが、やはり身一つで海に入れる夏が本番!
これからの季節はたくさん海に入って、スイムもボードもめいっぱい楽しみます。

水温が下がる秋以降には、SUPやアウトリガーカヌーなど、膝下がぬれる程度(冬の海におちることも・・・あります)の活動や、ランニングやスラックライン、ボルダリング、ロープやシートを使用した遊び、砂浜でのトレーニングに移行します。とくに日没の早い季節は、室内でファーストエイドや火起こしといったワークショップを日替わりで行います。

これまでの活動では、桜山で植物採集をして草木染めをしたり、逗子海岸映画祭で子どもたちが作ったショートフィルムを上映したり・・・最近では、ハワイの伝統航海術を使った航海カヌー「ホクレア」号クルーとして世界一周航海を目指す、葉山出身の内田さんの講演会も企画されました。

こうした「番外編」的な活動では、さまざまなジャンルで活躍する地域の人々の協力があり、そんな人脈の広さと温かさも、とびうおの魅力かと思います。

「海」を切り口に広がる、人。スポーツ。遊び。科学やアートを含めた学び。

海はいつもそこにあり、誰にとっても何かしらの関わりがある。そんな海につながる様々な可能性や好奇心の扉を開けて、その子なりの「海」との関わりを大切にしてもらいたいのだと永井コーチは話します。

ひとつでも子どもたちが探求したいと思えること、夢中になれることをみつけてもらいたいという、熱い思いがあります。

  代表の永井巧コーチ

現在の会員は小学校2~4年生15人。

ちょうど昨年あたりに、創設時からいた高学年の子どもたちが抜け、低学年の新会員と入れ替わったかたちだそうです。

人数の都合上、新規入会は要相談となっていますが、この夏は会員以外でも参加できるイベントを企画しているとか。

プロセイラーのフネに乗る+古い帆布でバッグ作り、海水で塩づくり体験、葦船を作ってみよう、などなど…楽しそうですね!

8月6~8日には奥多摩で「水の達人キャンプ」。こちらは参加者募集中だそうですので、興味のあるかたはHPをチェックしてみてはいかが?

 

データ

名称   黒門とびうおクラブ
代表   永井巧
対象   小学生
活動場所 逗子海岸を中心とした地域の海山(集合場所は黒門駐車場奥のテラス周辺)
活動時間 毎週月曜 16時10分~18時(冬期および学休期間は変更あり)
月謝   6000円(入会金4000円)
HP http://tobiuo.org/ (問い合わせもこちらからどうぞ)